「五縁の会」さんが加工する干しシイタケやシイタケの佃煮「四万十にくびっ茸」の原材料となるシイタケは、すべて地元・十和(とおわ)地区産。 ここ十和は、昭和51・53年にはシイタケの生産量が日本一になるなど、昔からのシイタケの名産地。伝統あるシイタケをはじめとするおいしいものを多くの人に食べてもらいたいという 思いで「五縁の会」の皆さんは今日も楽しくがんばっています。

十和のシイタケ
高知県高岡郡四万十町地吉は、2006年(平成18年)3月に合併するまでは、「十和村(とおわそん)」にありました。

この十和の急峻な山間の土地で作られるシイタケは、すべて「原木栽培」。シイタケの栽培方法には、「原木栽培」と「菌床栽培」の二つがあります。

「原木栽培」はクヌギやコナラなどの広葉樹を伐採して原木とし、そこに菌を植えつける方法です。この方法で育てられたシイタケはその豊かな香りと、肉厚でコリコリとした食感が特徴で人気があります。

一方「菌床栽培」はオガクズやヌカを混合した培地に栽培する方法。最近は、原木の価格高騰などが影響し、国産生シイタケの約半分は、主に菌床栽培で生産されています。
酒井さん親子
シイタケのホダ場を案内してくれた酒井さん親子。
お父さん・祥成さん(右)と息子さん・和志さん(左)。
今若い人が少しずつ十和に帰ってきています。
ハウスのホダ場 山のホダ場
1年目のホダ木。ハウス内で栽培。 2年目から山のホダ場で栽培。ホダ木は重く運ぶのも大変。
シイタケコースター
ホダ木などを運搬する「シイタケコースター」。
急斜面を移動する時に大活躍。乗った時のスリルをお伝えできないのが残念です。
ハウスのホダ場 山のホダ場
伏せ込み。菌を定着させます。 シイタケ発生! 量が少なくなる夏場の貴重な生シイタケ。
五縁の会メンバーの酒井さん一家がしているのは「原木栽培」だけ。こちらでは「多孔式」といって、原木1本に約50個の孔(あな)をあけ、そこに「種菌」を打ち付けていきます(コマ打ち。コマ打ちされた原木は「ホダ木」といいます)。 ホダ木を1年目はハウスで栽培し、2年目から山のホダ場へ移動して栽培します。この方法だと、1年目から収穫できるメリットがあります。

1本のホダ木は2〜3年目をピークに6〜8年は収穫できます。春にコマ打ちして秋から春先まで数回の収穫期がありますが、収穫するたびに、ホダ木を水に浸して組み直す作業は、とても重労働。 生産者の高齢化に伴ってこの地区のシイタケの生産量も減っていきました。しかし、少人数ながら後継者も育っており、地区の皆さんが「十和のシイタケ」を守っていこうとがんばっています。


「五縁の会」とシイタケのご縁
「五縁の会」は、もともと十和地区の農家の若いお嫁さんたちが「何かしたいね」と集まって平成4年にできたコミュニティでした。それを機に「何か十和のものを売り出そう!」ということに。 あれこれと試行錯誤した結果、味も品質も最高級の、地域の特産品でありながら、最近元気がない「十和のシイタケ」を加工し、付加価値をつけて売り出すことを考えました。

でも、シイタケ本来のおいしさを損なうような加工では意味がありませんよね。佃煮の商品開発では、その調味料や調理方法に吟味に吟味を重ねました。 大阪から一流調理師を招いて研修を行い、出汁には高級昆布、醤油は無添加で国産大豆使用の高級しょうゆを使いました。 「シイタケの佃煮は全国各地にあります。その中で消費者の方に選んでもらうためには、妥協はできないなと思いました。高くても安全でおいしいものを食べたい、という方の気持ちに応えられるような佃煮であると自信を持っています」と会長の久原さん。

こうして、開発に2〜3年かかった佃煮は、商品名をつけるのにもまた悩みました。プロに頼もうか、いや、自分たちで考えようかと思案しているとき、ご近所の年配の女性から、「一度食べたら忘れられない、あなたにくびっ茸(首ったけ)!」という天の声。そこからネーミングを思いつき、即採用。 それからは、「五縁の会」で作られる商品はどれも楽しいネーミングばかり。タケノコの佃煮は「輝くようなおいしさ、かぐや姫」、ゼンマイの佃煮は「あっちこっちに引っ張りだこで、てんてこまい」…。
ビンやパックに詰める 煮汁を入れる

◆佃煮製造工程
1.原材料を大釜で味付けをしながら煮る
2.ビンやパックなどに詰める
3.所定の量に調整する
4.冷ました煮汁を入れる
5.容器を密閉する
6.加熱滅菌する

天日干ししているシイタケ
シイタケを天日干し。乾燥機を使うことも。
今年は収穫量が少なく、取材日は今年最後の袋詰め。


地域内外でのご縁
こうして苦労を重ねて作った佃煮やその他の加工品は、当初、県内量販店で販売する予定でした。 その後、市場調査などを重ねるうちに、少量パック入りの手ごろな価格で、おみやげ物としての売れ行きがもっとも好調なことが分かりました。 現在では近場にできた道の駅「とおわ」など、十和地区とその周辺での販売となっています。
道の駅「とおわ」
地元の物産がいっぱい、こだわりの道の駅「とおわ」
「会の立ち上げ以来、この地域の女性同士のつながりを大切にしてきました。 農家と会社員のお嫁さんが、気軽に集まれる会ができて、メンバーの個性もバラバラで、それぞれがとてもよい刺激を与え、与えられていると思います。 それに商品の営業に行くことで、それまででしたら絶対に会えないような人に会って、しかもそこで自分の意見を言えるまでに自分たちが成長できたことがうれしいですね。 だから、収益がまったくなかったり、借金がいっぱいあってしんどかったときも、誰もやめようとせず、今もがんばってくれています」と久原会長。
利益だけを目的とせず、楽しみながらやっているからこそ、おいしくて、安心安全なものが作れるのでしょう。そしてよいものであれば売れて当然!  道の駅「とおわ」ではとても好調な売れ行きで、それはもう「てんてこまい」だとか。
●本商品に関するお問い合わせ先
五縁の会
電話&FAX.0880-28-5800
〒786-0501
高知県高岡郡四万十町地吉1272-2


ご連絡の際は、
「こうち県産品総合サイトを見て」と伝えてみてください。

五縁の会の皆さん